・・・MRI・・・
 磁気共鳴画像(MRI)という新しい方法がCTについで開発されました。人間のからだは、水素、酸素、窒素、炭素など、いろいろな原子によって構成されており、それらの原子核は、いずれもプラスとマイナスの電気をおびています。すなわち「磁力」をもっています。そのため、強い磁場の中に入ると原子核はそれぞれの位置で一定方向を向きます。しかしその磁場から離れると原子核はまた元の方向に戻ろうとしてエネルギーをだします。この反応が核磁気共鳴といわれるもので、これを利用して原子(水素)の分布状態を画像化するのがMRIです。
 これは、X線を利用しないということ、また、いろいろな方向で自由に取れるという点、また、X線を使ったCTよりも、ある部分、例えば脳幹部、脊髄をもっていて、これもCTスキャンとならんで、急速な進歩をしつつあります。CTとならんで近い将来かなりの病院において、利用される日が近いものと思われます。
参考文献:「やさしい脳神経外科の話」平塚秀雄